高速道路を快適に走行中、あるいは、市街地の渋滞にはまっている最中。ふと、メーターパネルに目をやると、これまで消えていたはずの、オレンジ色の鍵マークが、点灯していることに気づく。運転中に、予期せぬ警告灯が点灯すると、誰しも、一瞬、肝を冷やすものです。「このまま走り続けても、大丈夫なのだろうか」「急にエンジンが止まったりしないだろうか」。そんな不安が、頭をよぎるかもしれません。しかし、結論から言えば、走行中に、オレンジ色の鍵マークが点灯した場合でも、慌てて急ブレーキをかけたり、路肩に無理やり停車したりする必要は、ほとんどありません。前述の通り、オレンジ色の警告灯は、緊急性の高い危険を知らせるものではありません。その主な原因は、スマートキーの電池消耗であり、それが原因で、走行中に突然エンジンが停止する、といった事態は、まず考えられません。車は、一度エンジンがかかってしまえば、その後、キーとの通信が途絶えたとしても、基本的には、次にエンジンを切るまで、走り続けることができるように設計されています。これは、例えば、トンネルの中などで、一時的に電波干渉が起きた場合でも、安全に走行を続けられるようにするための、フェイルセーフ機能です。ですから、走行中にオレンジ色の鍵マークが点灯した場合は、まずは、パニックにならず、安全運転を継続してください。そして、次のサービスエリアや、安全に停車できる駐車場など、落ち着いて対処できる場所に到着してから、エンジンを切り、原因の確認と、対処を行うようにしましょう。ただし、一つだけ、注意すべきことがあります。それは、一度エンジンを切ってしまうと、キーの電池切れが原因であった場合、次に、エンジンが、かからなくなる可能性がある、ということです。そのため、警告灯に気づいたら、目的地に到着するまで、あるいは、安全に対処できる場所に移動するまで、むやみにエンジンを切らない、という判断も、時には必要になります。走行中のオレンジ色の鍵マークは、「危険」のサインではなく、「次の停車時に、確認してくださいね」という、車からの、比較的穏やかなメッセージなのです。