「玄関の自動ロックは、新築の家や、高級マンションだけの特別な設備」。そんな風に、考えていませんか。しかし、テクノロジーの進化は、その常識を、過去のものにしました。現在では、既存の玄関ドアに、大掛かりな工事をすることなく、後付けで、簡単に自動ロック機能を追加することが可能です。その主役が、「スマートロック」と呼ばれる、次世代の鍵システムです。後付けのスマートロックは、主に、玄関ドアの内側にある、鍵のつまみ(サムターン)の上から、被せるようにして設置します。多くは、工具不要で、強力な業務用両面テープで固定するタイプのため、賃貸住宅でも、ドアに傷をつけることなく、導入することができます。このスマートロック本体に内蔵されたモーターが、ドアの開閉を検知するセンサーと連動し、ドアが閉まると、自動的にサムターンを回転させて、施錠を行う。これが、後付けで実現する、自動ロックの基本的な仕組みです。製品を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。まず、自宅のドアのサムターンの形状が、その製品に適合しているかどうかを、必ず事前に確認する必要があります。メーカーのウェブサイトには、対応する錠前のリストや、寸法を確認するためのガイドが用意されているので、入念にチェックしましょう。次に、自動ロックが作動するまでの「時間」を、自分で設定できるかどうかも、重要なポイントです。例えば、ゴミ出しなどの、短い時間だけ外に出る際に、すぐにロックされてしまうと不便です。そのため、ドアが閉まってから、三十秒後、あるいは一分後といったように、自分のライフスタイルに合わせて、作動時間を調整できるモデルが、非常に使いやすいです。また、スマートフォンだけでなく、専用のカードキーや、暗証番号、指紋認証など、複数の解錠方法に対応した製品を選べば、万が一の締め出しリスクにも、柔軟に対応できます。後付けスマートロックは、あなたの家の玄関を、もっと安全で、もっとスマートな未来の扉へと、手軽にアップグレードしてくれる、魔法のアイテムなのです。
後付けで実現する玄関の自動ロック