走行中に、メーターパネルにオレンジ色の鍵マークが点灯した。その時、ドライバーが真っ先に取るべき、最も基本的で、かつ効果的な対処法は、「スマートキーの電池交換」です。前述の通り、この警告灯が点灯する原因の、実に九割以上が、このキーの電池消耗によるものだからです。ディーラーや整備工場に駆け込む前に、まずはこの簡単なメンテナンスを試してみましょう。スマートキーの電池交換は、専門的な知識や工具がなくても、多くの場合、自分で簡単に行うことができます。まず、準備するものは、「新しいボタン電池」と、「精密ドライバー(マイナス)」、そしてキー本体を傷つけないための「柔らかい布」の三点です。最も重要なのが、正しい型番のボタン電池を用意すること。スマートキーによって使用されている電池の種類(CR2032, CR2025など)は異なります。キーの取扱説明書を確認するか、あるいは実際にキーを分解して、中に入っている電池の型番を確認するのが最も確実です。交換作業は、まず、スマートキーに内蔵されているメカニカルキーを引き抜くことから始まります。次に、キー本体のケースの隙間に、布で先端を保護した精密ドライバーなどを差し込み、てこの原理で、慎重にこじ開けます。ケースが無事に二つに分かれたら、中の古い電池を取り出し、新しい電池を、プラスとマイナスの向きを間違えないようにセットします。あとは、ケースを元の通りに、カチッと音がするまではめ込めば、作業は完了です。この作業の後、再びエンジンをかけてみて、オレンジ色の鍵マークが消えていれば、原因はやはり電池消耗であったと、確定できます。電池の寿命は、使用頻度にもよりますが、おおよそ一年から二年程度です。警告灯が点灯した、ということは、それは、あなたのキーが、交換時期を迎えたという、明確なサイン。先延ばしにせず、早めに対応することが、出先での突然の電池切れという、より深刻なトラブルを防ぐための、最も賢明な判断と言えるでしょう。
オレンジの鍵マークが点灯したらまず電池交換