玄関の自動ロック(オートロック)機能は、単身者や、共働きの夫婦にとって、非常に便利な機能であることは、言うまでもありません。しかし、その真価は、むしろ、「小さなお子さん」や、「高齢のご家族」がいる家庭においてこそ、最大限に発揮されるのかもしれません。なぜなら、自動ロックは、彼らを、予期せぬ危険から守るための、極めて有効な「見守り」のツールとなるからです。まず、小さなお子さんがいるご家庭。子供の成長は早く、昨日まで届かなかったドアノブに、今日には手が届いている、ということも珍しくありません。親がほんの一瞬、目を離した隙に、子供が自分で玄関の鍵を開け、道路に飛び出してしまう。想像するだけで背筋が凍るような、こうした重大な事故を、自動ロックは、未然に防いでくれます。ドアが閉まれば、常に施錠された状態が保たれるため、子供が勝手に外に出てしまうリスクを、根本から断ち切ることができるのです。また、スマートロックと連携すれば、子供が学校から帰宅し、鍵を開けた瞬間に、親のスマートフォンに通知が届くように設定することも可能です。これにより、共働きで留守にしがちな家庭でも、子供の無事な帰宅を、リアルタイムで確認できるという、大きな安心感が得られます。次に、高齢のご家族、特に、認知症の症状がある方との同居。徘徊による行方不明は、介護する家族にとって、最も深刻な悩みの一つです。自動ロックは、こうした、意図しない外出を防ぐための、物理的な最後の砦となります。また、高齢になると、鍵を閉め忘れてしまう、ということも増えてきます。自動ロックがあれば、常に玄関が施錠された状態を維持できるため、空き巣などの侵入犯罪から、無防備な高齢者を守ることにも繋がります。もちろん、締め出しのリスクや、緊急時の対応など、導入にあたっては、家族全員で、その使い方を十分に話し合う必要があります。しかし、適切に運用すれば、玄関の自動ロックは、世代を超えて、家族全員の安全と安心を、静かに、そして力強く、支えてくれる存在となるのです。
子供と高齢者のための玄関自動ロック