車のトランクに鍵を閉じ込めてしまった際の解錠作業は、どの車でも同じように行われるわけではありません。実は、車種の構造やボディタイプによって、その難易度やアプローチ方法は大きく異なります。この違いを理解しておくことは、万が一の際にプロの作業内容を理解し、安心して任せる上で役立ちます。大きな分かれ目となるのが、「トランクスルー機能」の有無です。これは、後部座席の背もたれを倒すことで、車内空間とトランクを繋げることができる機能です。ハッチバックやステーションワゴン、SUVのほとんどと、一部のセダンにこの機能が備わっています。トランクスルー機能がある車種の場合、鍵開けのプロはまず、車体を傷つけるリスクが最も低い運転席のドアの解錠を試みます。ドアさえ開けることができれば、車内にあるトランクリッドオープナーを操作するか、後部座席を倒してトランク内にアクセスし、鍵を回収することが可能です。この方法が、最も安全かつ迅速な解決策となります。一方で、高級セダンや一部のクーペなど、ボディ剛性や静粛性を高めるために、車室とトランクが鉄板で完全に仕切られている車種も少なくありません。これらの車種にはトランクスルー機能がないため、たとえ運転席のドアを開けることができても、そこからトランクを開けることはできません。この場合、残された方法はトランクの鍵穴から直接ピッキングして解錠するという、非常に高度な技術が要求される作業になります。現代の車のトランクの鍵は、ドアの鍵と同様に防犯性が高く、複雑な構造をしています。イモビライザーなどの盗難防止装置と連動していることもあり、解錠の難易度は非常に高いのです。経験の浅い作業員が無理にこじ開けようとすれば、鍵穴を破壊してしまい、シリンダーごと交換する必要が出てくるなど、修理費用が高額になるリスクがあります。だからこそ、豊富な経験と知識、そして多様な車種に対応できる専用の工具を持つ、信頼できる業者を選ぶことが不可欠なのです。自分の車の構造を詳しく知る必要はありませんが、「最近の車は簡単には開かない」ということを認識し、トラブルが起きた際は迷わずプロを頼ることが、愛車を守るための最善の選択と言えるでしょう。
車種によって異なるトランクロック解除のアプローチ