ツーリングや通勤の途中でバイクの鍵を無くした場合、まずは冷静になって今の状況を整理することが何よりも大切です。ポケットやバッグの中を何度も確認したはずでも、パニック状態では見落としが多いため、まずは一度深呼吸をしてから衣類のすべてのポケットやカバンの底、さらにはヘルメットの中やグローブの中まで丁寧に探し直してください。もし外出先であれば、直前に立ち寄ったコンビニや休憩所のベンチ、バイクを停めた周辺の地面に落ちていないかを歩いて確認しましょう。それでも見つからない場合は、バイクのシート下にあるメットインスペースに閉じ込めていないかを疑う必要があります。鍵を差したまま荷物を整理し、うっかり鍵を中に入れた状態でシートを閉めてしまうインキーは非常によくあるトラブルです。 どうしても鍵が見つからないことが確定したら、次にすべきことは警察への遺失届の提出です。最寄りの交番や警察署へ出向き、紛失した日時や場所、鍵の特徴を伝えて届け出を出しましょう。最近はインターネットから遺失届を提出できる自治体も増えていますが、現場で途方に暮れている場合は直接交番へ行くのが最も確実です。遺失届を出すことで、誰かが拾って届けてくれた際に連絡が来るようになります。また、この届出の受理番号は、後に車両保険の鍵紛失特約などを利用する際や、悪意ある拾得者による盗難に遭った際の証明として必要になることがあります。警察への届け出が済んだら、次に自分のバイクが置かれている場所の安全を確保してください。鍵を無くした場所がバイクのすぐ近くだった場合、拾った人物がそのままバイクを盗んでいくリスクがあるため、ハンドルロックがかかっていない状態であれば、チェーンロックなどの補助錠を急いで買いに行くか、信頼できる知人に監視を頼むなどの対策が求められます。 実際にバイクを動かせる状態にするためには、二つの大きな選択肢があります。一つはバイクを購入したディーラーや販売店に相談する方法です。ディーラーに依頼するメリットは、車体番号から純正の鍵を発注できるため、最も品質の高い鍵を手に入れられる点にあります。最近の大型バイクや新型モデルに多いイモビライザー搭載車の場合、高度な電子照合が必要になるため、ディーラーでの対応が基本となります。ただし、純正キーの取り寄せには数日から一週間程度の時間がかかることが多く、さらにバイクを店舗までレッカー移動させる費用も発生することを覚悟しなければなりません。もう一つの選択肢は、現場まで駆けつけてくれる鍵の専門業者に依頼する方法です。鍵業者の最大の強みは、鍵が一本もない状態からでも、鍵穴の内部構造を読み取ってその場で新しい鍵を作製できる技術力とスピードです。早ければ三十分から一時間程度で自走できる状態まで復旧してくれるため、ツーリング先や急ぎの用事がある場合には非常に心強い味方となります。費用は車種や鍵の複雑さによって変動しますが、出張費と技術料を含めて一万五千円から三万円程度が一般的な相場です。最終的には自分のライフスタイルや予算、そしてバイクの種類に合わせて最適な方法を選びましょう。